今回の記事は「海外旅行初心者とホステル」についてです。
「海外旅行でホステルに泊まろうと思うんだけど、どんなところなのか心配」という方、それはもっともです。
私がもしホステルに泊まろうとした場合、いまだに私は心配になります。
そう、いかにも初心者向けのホステルは、いかに旅慣れた人であっても幾ばくかの緊張を強いる、難易度の高い宿泊施設なのです。
ですので、初めて一人で旅行される方や旅慣れていない方に、私はホステルを勧めません。その理由をお伝えいたします。
ホステルとは一体どんな宿?
安く海外旅行に行きたい人は泊まりたい「ホステル」ですが、ところで「ホステル」とはなんでしょう?
ホステルと言えばバックパッカー御用達というイメージがあるかと思います。
ホステルとは、相部屋で泊まる形式の格安宿泊施設で、ゲストハウスと呼ばれることもあります。値段はホテルよりも安く、ホテルの値段を上回ることは、まずありません。その安さから、長期旅行しているバックパッカーにとっては貴重なのです。
ほんの数年前までは汚くて、それこそ虫が出るようなホステルが多かったのは事実です。

こんな、自分の家の方がまだマシだと言いたくなるような汚さのホステルもあります。
ホステルと言えば、宿泊所というよりも「避難所」のような、わざわざ泊まりに行く所ではないところが多かったのですが、最近ではカフェのような、オシャレで綺麗なホステルが増えています。
安いホテルだと、むしろ汚いことが多いですが、新しくて綺麗なホステルに泊まった方がオシャレな感じがします。
ホステルの部屋は相部屋なので、当然他のお客さんと同じ部屋で寝ることになります。外国の人と一緒に寝るということもあり得ます。
相部屋のことを「ドミトリー」と言い、多くは一部屋に2段ベッドを複数台置いてあります。一部屋の収容人数はその宿によりけりですが、私の経験では12人が最大でした。大抵は6人ほどが最大です。
日本のカプセルホテルも、一つの部屋に大量に寝床がある点で似ていますが、カプセルではないので音が丸聞こえになる点で違います。
プライバシー保護はどうするのかと言うと、布のカーテンで自分と他のお客さんを隔てますが、たまに布すら無いこともあります。貴重品は基本的に金庫に入れます。
ホステルには宿泊者同士の憩いの場があり、そこで他の宿泊客と談笑できるため、思い出づくりもできます。外国の人もいるので、言葉やコミュニケーション力に自信がある方は話しかけてみてもいいでしょう。
ホステルを海外旅行初心者に勧めない理由
最近はとてもきれいで、コストパフォーマンスも良いし衛生的に泊まれるホステル。
しかし、いくら綺麗になろうと、ホステルは相部屋の宿泊施設であるという前提は変わらず、様々な宿泊上のがあります。
以下、驚かせるつもりはありませんが、私が体験して感じたことをお話ししますので、ホステルの真実を理解して頂けたらと思います。
相部屋であることが一番の問題

「相部屋である」点が、ホステルの最大の特徴で最大の問題です。
①日本のカプセルホテルを見ればお分かりかと思いますが、日本人は秘匿する性格なのでカプセルが発達しました。ですが、ホステルにはそれがありません。他人の音も声も動きも、全部筒抜けです。普段、誰かと一緒に寝る事はない人が、旅行に行ったときに限って誰かと一緒に過ごすのです。これは日本人にとってものすごいストレスです。
③一緒の部屋の方には挨拶が必要です。挨拶はすべきだと思いますし、当然のマナーですが、挨拶しなければならないのがかえって辛いです。
④寝ているとき、人のゴソゴソした音で目が覚めてしまいます。誰かのイビキもすごく気になります。
⑤夜、不意に誰かが部屋の電気を消すことがあります。本を読んでいたとしても問題ではありません。
⑥盗難に気を付けなければなりません。スーツケースから何かを取り出したら、またスーツケースのロックをするという、めんどくさいことをしなければなりません。
ここまでの問題が、ホステルの相部屋にはあります。
他人と一緒に過ごすということは、セキュリティやプライバシーを守るのに、いつもの何倍も気をつけなければならないのです。
そもそも私のように、ここまで神経質に考えてしまう人は、やはりホステルには向いていないのかもしれません。
相部屋に泊まるということは、忍耐強く、マナーがしっかりしていなければなりません。
セキュリティーの面でも、バッグには鍵を常にかけたり、貴重品は肌身離さず持っているなど、気を付けましょう。
トイレ、バスが共用
もう一つ、ホテルとホステルの大きな違いは「トイレと風呂場が共用」という点です。
トイレ・バス共用が良いという人は間違いなくいないでしょう。
トイレ・バス共用だと、以下のような問題があります。
①ホステルのシャワールームの脱衣場は、シャワールームと一体ほぼ一体です。ですので、場所に余裕をもって着替えられません。使い方が汚いと水が脱衣所まで侵入し、衣類を濡らしてしまうことになります。他人がシャワーを使った跡が汚いと、結構腹が立ちます。脱衣場までビシャビシャだと、靴下が濡れたりします。
②洗面所も共用です。朝に顔を洗う時も、誰かと顔を合わせることになります。ワックスで髪を整えているところを誰かに見られていると、気まずいです。私だけかもしれませんが。
シャワーには、濡れてもいい格好で行った方がいいでしょう。
シャワーに行く際、貴重品も持っていくか、金庫に預けましょう。
ホテルの感覚でいると、不自由を覚える
相部屋なので、何をするにも気を遣わなければなりません。
私は朝に軽く体操をしたり、腕立て伏せをしますが、それができません。人がいても気にせず腕立て伏せすることもできますが、それはそれでどうかと思います。
中には汚い施設もある

ホステルとは”格安宿泊施設”のことです。先ほどの写真をご覧抱ければご理解頂けるかと思いますが、設備が古かったり、汚かったりすることがあります。雨漏りしていたり、虫が出るところさえあります。
最近は綺麗なホステルが出来ていて、そういったところは少なくなりましたが、熱心なファンに支えられ、存在しているところも少なくありません。
一部のファンには、”古いホステル”を懐かしみ、泊まりたいという人がいます。きっと、汚ければ汚いほど、「冒険した」という記憶に残るのでしょう。私も、インパクトの強い宿の記憶は、強く記憶に残っています。
それはさておき、古いホステルには虫が出ます。
私は運良く、虫に遭遇したことはありませんが、同じ日に宿泊していた日本人の男の子が「南京虫に食われた」と言っていました。寝ているときにやられたそうです。
雨漏りを経験したことはあります。私が以前泊まったインドのホステルは雨漏りしていました。それも私の寝るベッドの上にです。
自分が泊まるホステルはどんなところか、事前に確認はしておくべきでしょう。そこが「伝説の宿」とか「バックパッカーご用達」といったニックネームがある宿であれば、泊まるのを控えた方がいいと思います。そういったところは、限りなく汚い場合が多いです。
外国人の存在
外国人さんもいます。
私はいまだに外国人さんとのやりとりは苦手です。
英語は多少は話せますが、英語の細かなニュアンスは難しいですし、長い時間話すとなると、意図したことを伝えられないもどかしさを感じて辛くなってくるのです。
英語を全く話せないとなると、正直、ホステルはハードルが高いでしょう。
コミュニケーションを積極的に取りたいと考えている人がホステルに泊まっても、コミュニケーションがうまくいかず、かえって寂しい気持ちになりかねません。
「英語は話せないけど、どうしてもホステルに泊まりたい」ということであれば、日本人が良く来る宿を探しましょう。世界各国に日本人宿というものがあります。無理して外国人が多い所に泊まるよりも、日本人が多い所の方が安心できますし、疲れないでしょう。
ホステルは泊まる人を選ぶが・・
以上のように、ホステルはかなり不便で、泊まるハードルが高いです。
本来ホテルにかかる経費を削っているので、不便が出るのは、当然と言えば当然です。「ホテル」のイメージを持って泊まると痛い目を見るかもしれません。
「ホテルとは違う」という前提を知らずに、安く泊まれるからと、安易にホステルを選んでしまうと、後々後悔します。
なかなか寝られず、気も遣い、かえって疲れてしまい、せっかくの旅が楽しくなくなる可能性があります。
・・・と、悪い点ばかり指摘してしまいましたが、ホステルにもいい所はあります。
最高の出会いがある

何と言ってもホステルの良い点は出会いがあるところです。逆にホテルには出会いがありません。
ホステルの良い点、というよりもホステルでしか味わえない、唯一無二の魅力でしょう。
旅で出会いを提供してくれる、という点でホステルはとてつもない魅力を持っています。
ほとんどのホステルには、憩いの場が併設されていて、泊まっている人たちとそこで団らんできるようになっています。
「ホステルで仲良くなって、いっしょにご飯を食べに行く」という素敵な出会いもあります。
私もホステルでの出会いで、忘れられない出会いがたくさんあります。ご飯も遊びにも行きましたし、それこそ、私の人生を変えてくれたほど、素敵な出会いもあります。
「旅=出会い」という方もいますし、そういう方にとってホステルは、不便さを差し引いても泊まりたい魅力的な所でしょう。
ホステルは疲れる、でも無くてはならない存在
ホステルに初めて泊まるのは、結構勇気が要ります。私はいまだに勇気が要ります。
不便ですし、他人と一緒に寝るし、盗難に気を付けなければならないし、ホステルに泊まるのはどう考えても大変なのです。
でも、素敵な出会いがあります。私が会った人は、学生の男の子、女の子、看護師を辞めて旅に出た男の子、ニ年間旅していた女性。
会社の役員として働きまくっていたところ、体を壊したことをきっかけに、世界中旅していたおじさんは、これからの私の人生のためになる金言を授けてくれました。それらの出会いは今となっては決して忘れられない、一生の思い出です。
旅の間の出会いは、やはりホステルでしかありません。そんな素敵な出会いを提供しているホステルは貴重で、無くてはならないものだと思うのです。
ホステルは確かに不便で疲れます。でも旅に欠かせないものです。
私が旅行に行くときは、今はホテルが多いですが、たまにホステルも織り交ぜたりしています。そうやって旅の疲れを取る場と、コミュニケーションが取れる場をバランスよく入れるのが、より旅を楽しむコツだと思っています。
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